消毒の風景
消毒の風景
お隣のぶどう畑にも袋がかかったので、ボルドー液を散布しました。
ボルドー液は有機農法でも利用できる殺菌剤で、多くの病原菌から保護する効果が高いため、全国のぶどう農家が愛用しています。
ただ、果実に直接かかると青白く汚れてしまうのが難点で、一般的には袋をかけたあとに散布します。
袋の中に入ったぶどうに直接かかることはありませんが、りんご畑とも隣接している部分があるので、気を配りながらスピードスプレーヤーを走らせました。
スピードスプレーヤーは、通称SS(エスエス)と呼ばれる消毒用の薬剤散布専用車。
果樹農家には欠かせない農業機械のひとつで、最新の機能が搭載された新車だと、定価で1000万円近くするような高級車もあります。
ともよファームの“相棒”は、りんご農家さんから譲っていただいた年季ものですが、とても大切に管理されていたので元気に働いてくれています。
タンク容量1000リットルの大型車なので、ぶどう棚の支柱が並ぶ園内の運転には少しコツが必要です。
この日は快晴&無風という絶好のコンディションということもあり、消毒風景を撮影してもらいました。
撮影してもらいながらの消毒は初めてで、いつもとは違った緊張感もありましたが、無事に終えることができました。
ドローンを飛ばしてもらった上空からの1枚は、果樹産地以外では見ることのないシーンだと思います。
少しは迫力が伝わるでしょうか。
農薬という言葉はネガティブなイメージを連想させやすいですが、果樹栽培に殺菌剤や殺虫剤の散布を欠かすことはできません。
例えば病気が発生すると良質なぶどうが収穫できなくなるばかりか、蔓延してしまうと周囲の畑に感染させてしまうリスクもあり、自己責任では収まらなくなるからです。
ただ、日々の観察を欠かさないことで、少しずつ種類や量を減らす工夫はしています。
決して安易な気持ちで取り入れることはできませんが、気候の変化に伴って環境も変化していくため、常に自分自身で判断できるように知識と技術の向上に努めています。
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