ふるさと納税の産地偽装問題について
はじめに
これまでに「信州すざか ともよファーム」のシャインマスカットをお選びいただいた寄附者の方々には、私たち夫婦が管理している須坂市内のぶどう園で栽培したものだけをお送りしました。
報道ではどうしても“須坂市で産地偽装”というような表現がされてしまいますが、私たちは不正には加担しておりませんので、ご安心いただきたく思います。
ふるさと納税への思い
私たちが返礼品事業者に参画したのは、移住した際に援助や応援をしてもらった方々に対して恩返しがしたいという気持ちからでした。
私たちのシャインマスカットを選んでいただくことで須坂市の税収が増え、子育て支援や環境整備など、様々な分野で幅広く役立てられているからです。
間接的にでも、誰かのためになることができれば───
生産数には限りがあります。返礼品を提供するためにはオンラインショップでの販売数を制限したり、途中で受付を中止しなければならず、その葛藤もありました。
単なる販路のひとつとして参画していたわけではなく、真摯に取り組んでいた身としては、悔しさや悲しさなどいろいろな感情が交錯しています。
心がかりだったこと
被害者となったしまった寄附者の方々には申し訳ないのですが、不正が明るみになって良かったという気持ちもあります。
もし返礼品目的であったとしても、数ある自治体の中から須坂市を選び、応援していただいた寄附者の方々を騙すということはあってはなりません。
今回は、生産者ではない事業者が返礼品を提供できる仕組みに根本的な問題があったのではないかと考えています。
生産能力がない事業者は、JAや市場などからシャインマスカットを仕入れて発送するしかありません。
自社の大型トラックで大量に仕入れていく光景を目の当たりにすると、それは返礼品ビジネスでしかなく、そこには寄附者の方々に届ける“想い”は感じられませんでした。
今後どうなるのか
実際に不正を働いたのは委託事業者である日本グルメ市場です。
寄附者を騙し、須坂市や生産者が少しずつ積み重ねてきた信頼を失墜させた罪は大変重いものです。
ただ、残念ながらその事業者を選んだのが須坂市であることも事実で、市にも大きな責任があるように感じてしまいます。
今後は各方面から厳しい判断がされることと思いますが、いつかまた自分たちのシャインマスカットを選んでいただいた寄附者の方々に、心からのお礼として自ら手がけたシャインマスカットをお届けできる。
そんな日が来ることを願っています。