こだわり

たいせー

 栽培へのこだわり

1.土づくりを大切にしています

ぶどうやりんごなどの果樹は、樹上の作業や栽培技術に注目されがちですが、野菜などの作物と同様に栄養吸収の基本は根です。

また、その場所に植えつけられてから何年も動くことがないため、土づくりはとても大切です。

そこで、私たちは有機質肥料を積極的に使用することで、ゆっくりと“地力の向上”を目指し、環境にやさしく負荷をかけない『持続可能な農業』を心がけることにしました。

●こだわりの堆肥

土づくりに欠かせない堆肥は、地元の長野市松代町で生産されている「すみじぃ堆肥」を使用しています。

牛糞などの動物性原料は一切使用しておらず、樹皮、野菜残渣、おから、コーヒー粕など100%植物性原料でつくられているエコ堆肥で、有機JAS規格にも使用できる適合資材です。

この堆肥を毎年投入することで、土がふかふかになって通気性や排水性が高まり、多種多様な土壌微生物が増えることで病原菌の繁殖を防ぐ効果が見込め、病気になりにくい土壌環境を保つことに繋がります。

すみじぃ堆肥

植物性原料を100%使用している“地産地消”のエコ堆肥を使用。完熟させた良質な堆肥なので嫌な匂いは一切せず、炭や森の土のような優しい香りがします。

●こだわりの肥料

例えば、ミネラル分の補給には海藻肥料の「ホンダワラ」を使用しています。

古代から人間の食用としても利用されてきたホンダワラは、ヒジキやアカモクの仲間で、最近は健康食品としても再認識されており、人間が口にしても無害で安全です。

海藻肥料は果実の甘みを増すのが最も得意だと言われています。

豊富に含まれている海洋ミネラルやアミノ酸、ビタミンなどを供給することで、作物の品質向上や土壌微生物の活性化が期待できます。

ホンダワラ

人間の食用としても利用されてきたホンダワラ。原料となる海藻を乾燥・粉砕しただけなので、散布直後は園内が“磯の香り”に包まれます。

肥料や資材は、ただやみくもに施せば良いというものではなく、人間と同じように栄養バランスが重要で、栄養不足や栄養過剰、栄養成分の偏りは生育を狂わせてしまいます。

元々の土壌の性質や天候などの条件が異なるため、土づくりに正解はありません。
私たちが使用している肥料なども、その園地で有効かどうかは検証を続ける必要があるでしょう。

定期的に土壌診断を行うことで、数値の変化を確認しながら種類や量を加減し、常に生育に最適な状態を目指します。

2.農薬の使用を減らす栽培を目指しています

品質の良いものを安定してつくるためには、殺菌剤や殺虫剤の散布は必要です。
ただ、少しずつ農薬に頼らない・農薬を減らす工夫もしています。

使用する薬剤や散布時期などは地域で推奨されている基準(=防除暦)を参考にしますが、園地によって環境や条件が異なるため、防除暦通りに散布しないこともあります。

普段から枝や葉の状態をよく観察することが大切という考え方で、駆除対象の害虫が発生していない場合は殺虫剤の散布をせず、毒性の強いものは極力使用を避けるようにするなどの工夫をしています。

なるべく病虫害が発生しにくい環境をつくることを心がけており、生い茂ると害虫の住処となってしまう雑草は、乗用草刈機や刈払機、場所によっては手作業で草むしりを行うなど、最盛期には7~10日間隔で刈り取っています。

乗用草刈機

まるでゴーカートのような乗用草刈機は、ぶどう農家にとって必須農機のひとつ。座席下の刃が回転する仕組みになっていて、走り回ることで広い園地の雑草を刈ってくれる優れものです。

また、株元(木の根元)は籾殻を炭化させた「籾殻くん炭」で覆っています。籾殻くん炭は通気性や保水性に優れているため土壌改良の目的で使用されることが多い資材ですが、アブラムシなど害虫の忌避剤や雑菌抑制などにも効果があり、マルチとして使用しています。

いずれも手間はかかりますが、園内を清潔で栽培に適した状態を保つことで、使用する農薬の削減に繋げたいと考えています。

まだまだ私たちは経験が浅く、十分な知見を有していないため、使用する農薬の種類や量を減らすことは簡単なことではありません。

それでも、様々な工夫をしながら環境への負荷を低減させるとともに、生産コストを削減することで、少しでもお求めやすい価格で提供できるように心がけています。

もみ殻くん炭

株元はもみ殻くん炭で覆っています。周囲に敷き詰めているのは稲わらをカットしたもの。ともに自然由来の資材なので、役目を終えたあとはそのまま土に還ります。

3.1本1本を大切に育てています

栽培方針や仕立て方などにもよりますが、果樹の経済寿命は長く、一般的には20〜30年ほどと言われています。苗木を植え付けてから寿命を全うするまでは、非常に長い付き合いが必要です。

私たちには複数の園地があり、すべての園地を合計すると150本を超える本数を栽培していますが、品種、定植年、特徴などは様々で、これから年月を重ねるごとに複雑化していくことは間違いありません。

記憶を頼りにした管理では限界があり、情報も属人化されてしまいます。

そこで、WEBサイト上に1本ごとの専用ページを作成し、ツリータグによる栽培記録の管理を行っています。

QRコードを導入することで、その場でスマートフォンによる情報閲覧や記録が可能となり、情報の正確性が高まるとともに、夫婦間での共有もスムーズとなり、作業効率が向上しています。

夫婦ふたりでの小さな経営ですが、私たちの生活を支えてくれる1本1本に感謝の気持ちを込めて、しっかり管理して大切に育てています。

QRコード

1本ごとにツリータグで大切に管理。QRコードを導入することで情報の正確性が高まり、夫婦間の情報共有もスムーズになりました。

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